■ MUKU-DATA  神代楢と神代栗   SOLD OUT

先日の銘木市に出材された神代楢や神代杉などは高過ぎて
どれも買う事ができなかった。。。
特に神代楢・・・
自分が買いたい値段のどれも3倍ほどの高値がついた。。。
挽いたばかりで乾いておらず、しかも神代の楢とくれば
ほぼ100%割れや捻じれが生じるであろう。。。
そんな確実なリスクも承知の上で、一部の人たちには需要があるだろう。。

国産材で黒い色の木と言えば、黒柿。
焦げ茶色で槐、槐も床柱等に使う際は製造過程で石灰を使って色を出す。
生地の状態の槐の色はもう少し薄い。
その他多くの国産材の色は白木の薄めの色から中間色が殆どかと思う。
肌の色と共通する。

で、そんな中で地中に埋もれた埋れ木(神代木)は土中成分と木に含まれるタンニンが反応してその殆どはグレー色に変色する。
中でも栗や楢の埋れ木はタンニンが多いのかと思うが、真っ黒になる事がある。
なので国産材の天然で黒い木といえば
黒柿のマグロ(黒の部分)、神代栗、神代楢、この三種が主な材かと思う。

雨の日の作業で、神代ではない普通の栗の板をリフトで移動していると
リフトのフォーク部分の鉄と反応してフォークが触れた部分だけ
栗が少し黒くなることを経験したことのある人も多いと思う。
あれは栗のタンニンと鉄分が反応しているのかと思う。

鉄染め、酢酸鉄で色染めも、木のタンニンと鉄分を科学反応させて色を付ける。
外壁でグレーに染めるウッドロングエコという塗料があるが
確か成分表は非公開?だった記憶があるが
きっと鉄の成分が入っているんだろうと想像できる。
神代杉とウッドロングエコを塗った杉はほぼ同じような色合いをしている。
ウッドロングエコの場合は、ドブ漬けしながら塗り込んでいく事が多いが
表面上のみの染めなので数年で色落ちしてしまう。
神代木は何年地中に埋もれたいたかは定かではないが
中には2000年、3000年と埋れていたものもあるので芯まで成分がいきわたり
どこを挽いてもあの色に染まっているといえるのかと思う。

昔から日本では黒い木に対しての憧れがあったのかもしれない。
ないものねだり・・ ?
中間色より少し薄めの色が多い中、見たこともない黒い木はドキっとする。
黒柿の自然に描かれた墨流しの模様はどこかに響いてくる。
昔の建具屋さんは欄間や障子の骨の一部に使う杉の木を
石灰水につけて色を黒くして使ったと聞いたことがある。

そんな黒い神代楢と神代栗が入荷した。。 が
部材として使える部分は殆どは行き先が決まってしまった。
ごく小さなものや割れが多くあるものが少し残る程度で。。

しばらく保管するのに並べてみたが何だか室内は異様な空気感が漂う。

でも黒檀やアフリカンブラックウッドの海外の黒とは違い、
やはり日本の黒だなと感覚的に感じる。